整形外科疾患として有名なものに脊椎圧迫骨折があります。主な原因は高齢者が転倒の際に尻もちをついて、脊柱に過度な負担がかかる事で生じます。整形外科でのレントゲン撮影により診断が可能です。その脊椎圧迫骨折について説明します。
脊椎は体幹を支持する機能と脊髄神経を保護する機能をもつため可動性とともに安定性が求められます。特に腰椎-骨盤領域の安定性においては胸腰筋膜が重要となります。胸腰筋膜には広背筋・大殿筋・内腹斜筋・外腹斜筋がついています。これらの筋がバランス良く胸腰筋膜の張リを作る事で腰椎-骨盤の安定性が保証されます。
その為、お腹周りの筋肉・背筋・お尻の筋肉を鍛える事が整形外科の運動療法では展開されています。次に脊椎圧迫骨折となると脊柱の変形が問題とされます。脊椎の椎体が潰れる事で、脊椎後彎変形をきたすことがあります。脊椎後彎変形は足の関節にも影響を与え、変形性関節症の発症や進行の要因となります。
また、脊椎後彎変形になると重心線は膝関節の後方を通過するため、大腿直筋が過剰に活動します。その為、筋肉が疲れやすくなってしまい、二次的に筋力低下となります。脊椎圧迫骨折になってしまった場合、普段の生活から脊椎に負担がかからないように良い姿勢を心掛けることが重要です。良い姿勢を知るためにも整形外科へ受診し、正しい姿勢や必要な筋力・画像所見などの医学的な知識についてアドバイスを貰い、生活習慣を見直すことが重要です。