一般の人が、解り難いと良く言うのが、整形外科と形成外科の違いです。整形外科は、骨や関節や靱帯、腱、筋肉、神経などの疾患を扱う診療科です。具体的な疾病としては、骨折や捻挫、脱臼、椎間板ヘルニアや腰椎分離症や腰椎すべり症等による腰痛、野球ひじやテニスひじなどのスポーツ障害、靱帯損傷、関節リウマチ、骨の悪性腫瘍である骨肉腫などの診察や治療を行っています。手術では、骨を繋いだり切ったりすることもありますので、日曜大工で使用するのこぎりや金づちと同じような手術道具を使います。
そのためか、すべての診療科の中で一番女性医師の割合が少ない診療科です。女性医師が一番多い眼科は約37%ですが、整形外科では女性医師は1割に満たないのが現状です。近年は、同じ整形外科の中でも、スポーツ外傷を専門とする医師、膝関節が専門、肩が専門と言うように、どんどん細分化されている傾向があります。そのうち、A先生は右手専門でB先生は左手専門などになっていくのではと、冗談半分で言っている医師もいます。
それに対して形成外科は、ケガや手術によってできた傷跡をきれいにしたり、乳房再建のように手術で失われたものを元の状態と同様に再建したり、あざや先天性異常によって変形したり欠損したりしている部分をきれいにする診療科です。三ツ口とも呼ばれる口唇口蓋裂や、逆まつげと言われる睫毛内反(睫毛内反)も、形成外科の対象疾患となります。形成外科の女性医師が占める割合は約16%です。一般の人は混同しやすいかもしれませんが、整形外科と形成外科では、その診療内容は全く違います。